2025年7月24日、空調・電気・配管設備(MEP)工事大手のComfort Systems USA(ティッカー:$FIX)が2025年第2四半期決算を発表しました。AI時代のデータセンター建設需要を背景に、売上・利益ともに過去最高を記録しています。
Contents
- 四半期業績ハイライト(2025年Q2)
- 上期累計の業績動向(2025年1〜6月)
- 受注残(Backlog)の推移
- 財務状況と株主還元
- CEOコメントと経営の方向性
- まとめ:将来性の高い堅実成長企業
四半期業績ハイライト(2025年Q2)
- 売上高:$2,173M(前年同期比 +20.1%)
- 営業利益:$299.9M(+62.4%)
- 純利益:$230.8M(+72.3%)
- EPS(希薄後):$6.53(前年$3.74、+74.6%)
- 営業キャッシュフロー:$252.5M(前年$189.9M)
- 粗利益率:23.5%(前年20.1%)
業績は過去最高水準。営業利益・純利益・EPSすべてにおいて前年を大きく上回りました。特に粗利率の改善が顕著で、高収益案件の比率が高まっていることが示唆されます。
上期累計の業績動向(2025年1〜6月)
- 売上高:$4,005M(前年同期比 +19.6%)
- 純利益:$400.1M(+73.7%)
- EPS:$11.28(前年$6.43)
- Adjusted EBITDA:$576.7M(+46.9%)
上期ベースでも大幅増収増益となっており、通期業績の大幅な上振れが見込まれる状況です。
受注残(Backlog)の推移
- 総受注残:$8,120M(前年同期比 +41%)
- 同一店舗ベース:$7,930M(+37%)
受注残は初めて80億ドルを突破。Q1からも+12億ドル増加しており、継続的な成長トレンドが続いています。主力分野は医療施設・教育機関・データセンターなど。
財務状況と株主還元
- 現金残高:$332M(2025年6月末時点)
- 負債:ほぼ無借金体質を維持
- 配当:$0.45/Q(前年$0.30/Qから+50%増配)
- 自社株買い:上期で$111.3Mを実施
健全な財務基盤のもと、配当・自社株買いの両面から株主還元を強化しています。株主重視の資本政策が継続されている点も評価材料。
CEOコメントと経営の方向性
「今期は当社史上最高の四半期となった。AIインフラやデータセンター関連の需要が引き続き強く、顧客基盤とプロジェクト遂行力が高く評価されている。」
CEOのBrian Lane氏は、強固な受注残とパイプラインの存在を強調し、今後2026年に向けた成長の継続を見込んでいるとコメントしています。
まとめ:AI時代の成長を支える堅実なインフラ企業
Comfort Systems USA($FIX)は、2025年Q2に売上・利益・受注残すべてで過去最高を更新し、AIやクラウドの拡大を背景とするデータセンター需要の追い風をしっかり取り込んでいます。
粗利益率の改善や受注残の大幅増から、数量だけでなく案件の質の向上も確認され、今後の収益性にも期待が持てる内容となっています。財務面も極めて健全で、配当や自社株買いといった株主還元も強化中です。
医療・教育・公共など安定分野にも展開しており、景気感応度を抑えた構造も同社の強み。今後もAIインフラ整備の波に乗る中核企業として、注目すべき存在といえるでしょう。
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